〒065-0016 札幌市東区北十六条東7丁目2番24-203号
営業時間 | 9:00~21:00 |
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定休日 | 土日祝日 |
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≪施術について≫
□ 医師の同意(指示)について
ア 裁判所の原則的な見方は、医師の指示が必要としています。
裁判例:医師が施術の終了後に出した意見書の場合×
病院が遠方で運動療法の代替を果たす場合(暗黙の了解)×
患者が施術を望みこれを医師が承諾した場合△
青い本:とりあえず施術を受けることを承認するという消極的なものも指示に含む
(いわゆる裁判基準・弁護士基準といわれるものでH26年版)
イ 裁判所が例外的に医師の指示がなくても施術を認める場合
裁判例:H21・6・21の東京地裁判決等
・治療を必要とする医師の診断書の傷病名と一致する部位の施術であること。
診断書(写し)を入手して確認 (施術の必要性)
・施術によって症状の改善があること(施術の有効性、施術内容の合理性)
施術証明書だけでなく施術録に施術と改善の内容を具体的に記録
・医師の治療と比較して過剰と思われる施術ではないこと(期間・費用の相当性)
費用:基本は単価でみられる。
医師:自由診療、1点20円〜(健保の2倍〜)
施術:自由施術、基準無し、
期間:頸椎・腰椎捻挫は一応6か月を目処としていますが、後遺障害の該当性
の強弱によって1か月(弱)〜3か月(中)〜6か月(強)
□ 参考
☆柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準の実務上の留意事項等について(通知):健保
・医師の指示について
健保の通知によると、第1 通則2「脱臼又は骨折に対する施術については、医師の同意を得
たものでなければならないこと。」とされ、打撲・捻挫については医師の同意は不要とされて
います。
・期間の相当性について
健保の通知によると第5その他の施術料3打撲・捻挫の部「初検の日から3か月を超えて
継続する場合は、負傷部位、症状及び施術の継続が必要な理由を明らかにした長期施術継
続理由書を添付すること」されています。
☆費用について
・1990年半ばまで上限の目安という労災保険施術料金の1.2倍位のものがありましたが独占
禁止法に抵触するため廃止されたようです。
・しかし、現状は今も、労災の施術料を参考にされているようです。
別紙①②「施術内容」2件によると、労災基準に対し後療三法2倍?その他は1.2倍
□ 賠償請求の現場から
・保険会社又は自賠責が了解して既に支払った施術費は、示談や紛セン(交通事故紛争処理セン
ター札幌支部)はもちろん、訴訟上で解決した例でも、過剰診療や打ち切り後の施術でない限
り、症状に応じて3か月〜6か月以内であれば医師の指示がなくても、私が担当したケースで
は問題(争い)となったことはここ3年間ありません。
・北海道以外の地域では、3、4か月以内であればという見解もあります。
・やはり、過剰な通院日数や単価が高いもの、後療三法以外の民間療法の請求、打ち切り後の施
術費がある場合、これが争いとなり訴訟に持ち込まれ、この場合に医師の同意が必要という形
で過剰診療に歯止めをかけているというのが実態ではないでしょうか、是非、この点を理解さ
れていただきたいと思います。
≪患者の施術費の確保≫
□ 過失がある場合
・相手方保険会社は、被害者が4割程度以上過失がある場合は一括対応されないようです。
・一括対応されない場合
ア 自賠責保険に被害者請求(過失7割未満:120万円 過失7割以上10割未満:96万円)
ポイント:加害者でも過失が10割でなければ施術を自賠責で受けられる。
イ 被害者側の任意保険(人身傷害保険)の利用
ポイント 対象者であること(後述べ)、通常「健保」利用を求められる。
検討課題 約款上では健保利用が条件となっていない?(約款確認)、
過失10割未満+短期治療により自賠責から支給される範囲
内(96万円)で施術費や慰謝料等の全ての賠償がカバーされ
そうな場合は、健保利用なしの交渉をしてみては?
ウ 被害者側が任意保険未加入・利用できない場合
・他に補償される保険や保険付カードの利用
・通勤・業務中:労災利用(会社の同意が得られなくても利用できます)
・上記以外:健保利用
□ 相手方が無保険の場合
・相手方が任意保険未加入(自賠責は加入)
上記の「過失がある場合」と同じ
・相手方が自賠責保険未加入
上記の「過失がある場合」のイ・ウ又は、自賠責部分相当の政府の「自動車損害保障事業」の
利用で対応
検討課題:任意保険に加入している場合、自賠責の限度額を超える治療が必要な場合、医師の指示等を取り付け、相手方保険会社と交渉が可能か?
≪治療打ち切りの対応≫
□ 治療打ち切りとは
保険会社の「治療打ち切り」≠医師の「治療打ち切り」
保険会社の「治療打ち切り」=治療「費」の打ち切り
※ 最高裁判所の考え方:被害者側が治療費等の全ての損害を支払い、最終的にこれを相手方に請求すれば良い。
□ 打ち切りを受けない対策
1 過剰診療等に見られないこと。
2 最低、月に1回(理想は2週に1回)は主治医の診察等を受け、継続のお墨付きを貰う。
3 被害者が主治医の診察を受ける際の言葉・動作に注意
言 葉
動 作
4 打ち切りの話しが出る前に、次の点を主治医に対し伝え了解を貰う。
① 被害者自ら治療終了時期を伝える
② 打ち切られた場合には終了時期まで「過失がある場合」と同様の方法で治療費を支払う旨を伝える。
≪損害賠償の計算≫
□ 損害賠償の内訳
【財産的損害】
積極損害:事故に遭わなければ出費することがなかったもの
治療費、装具器具、交通費、付添費、入院雑費、自宅・自動車改造、診断検査料
証明書料、葬儀費、遅延損害金、弁護士(司法書士)費用
消極損害:事故に遭わなければ得られたはずの収入
休業損害、逸失利益(将来の減収等)、
【精神的損害】
精神的苦痛:傷害慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料
※ 一般的な傷害の賠償提示例別紙③「自動車対人賠償額のお支払いについて」参照
□ 3つの賠償(額)基準
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任意保険基準=社内基準
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弁護士基準=赤い本、青い本
赤い本=主に裁判で利用
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青い本=主に示談・紛セン(札幌)で利用
□ 傷害慰謝料
・入通院慰謝料とも言います。
・自賠責基準 :「通院日数×2倍」と「総治療期間」の少ない方の日数×4,200円
・任意保険基準:自賠責基準と同じか、少々上回るなど保険会社によってまちまち
※「自賠責基準を下回らない」との文言をよく見かけます。
・弁護士基準 :むち打ち症で他覚症状がない場合
別紙④「入通院慰謝料別表Ⅱ(赤い本)」を使い賠償額を算出
① 総治療期間を限度に実通院日数の3倍を計算期間とする。
② 計算期間を30日(1か月)で割り、月数と端数の日数を算出
③ 表に当てはめ算出
例)別紙⑤「損害賠償請求明細書」参照
・賠償請求の現場から
・弁護士基準が自賠責基準や任意保険基準を下回る場合はほとんどありません。
・訴訟を最初から視野に入れている場合は赤い本を、それ以外は青い本を利用しています(今回は省略)。
□ 休業損害
☆正社員
・自賠責基準:1日当たりの基礎収入額と5,700円の多い方に休業日数を掛け算出
基礎収入額=事故前3か月の賃金の総支給額を90日で割った金額
※総支給額:手取ではなく、残業代も含む税金・社会保険料控除前の額
・任意保険基準:自賠責基準とほぼ同じ
・弁護士基準:1日当たりの基礎収入額(自賠責基準と同じ)に休業日数を掛け算出
但し、事故前3か月の勤務日数等がそれ以前よりも特異な事情(私傷病等)
で少ない場合などは、それ以前の給与や前年の年収を365日で割って算出する場合があります。
・注意点:① 有給休暇も休業日数に含まれる。
② 賞与減額、昇給なしも就業規則・賃金規定等の証明で認められます。
③ 会社役員は、役員報酬ではなく、労務の対価部分がある場合に限り支給
☆家事従事者
・家事従事者:年齢・性別を問わず、家事を専業又は主とするもの。
一人で生活しているものや時々家事を手伝う程度ものは含まれません。
パートやアルバイトをしている場合でもその週労働時間が30時間未満(社会
保険の対象とならない)の兼業者は家事従事者となります。
正社員は主婦であっても家事従事者ではありません。
・自賠責基準:家事専業 5,700円×休業日数
兼業主婦 給与所得と5,700円の多い方×休業日数
※休業日数は原則、実通院日数
但し、傷害の程度を考慮し、治療期間を限度に実通院日数の2倍まで
・任意保険基準:自賠責基準とほぼ同じ
・弁護士基準:賃金センサスの年収÷365日×休業日数
※ 賃金センサスとは、厚生労働省が発表する産業計、企業規模計、学歴計、女子労働者の全年齢平均の賃金額(年収)です。
平成25年度の賃金センサスは1日当たり9,696円(年収3,539,300円)
※ 休業日数は、実通院日数だけで見るのではなく、傷害の程度や医師の在
宅療養の証明等を勘案して検討します。
※ 別紙⑤「損害賠償請求明細書」参照
≪任意保険の活用≫
□ 人身傷害保険
・相手方の保険加入状況の有無や過失の有無(故意・重大過失を除き)、自損事故に関係なく過失部分を含め、治療費・慰謝料等の損害が支払われる。
※実質、任意保険基準に基づき支払われる、必ず加入しておくべき保険
・一般的に対象となる者(各社の約款を確認)
① 記名被保険者(通常契約者)
② 記名被保険者の配偶者
※内縁含むか含まないか確認
③ 記名被保険者又はその配偶者の同居の親族
※親族=配偶者、6親等以内の血族及び3親等以内の姻族:別紙⑥「親族図」参照
④ 記名被保険者又はその配偶者の別居の未婚の子
※過去に離婚した子は対象外か確認
⑤ ご契約車に①〜④以外の搭乗者
⑥ ①〜④の者が契約車以外の自動車を運転中の①〜④以外の搭乗者
・保険の対象とならない注意すべき例(約款の確認が重要)
① 歩行中や自転車に乗っている間の事故
※昔は対象としていたが、近年、対象外とするものが多く、別途加入すべき。
② 上記の一般的に対象となる者が契約車以外で所有又は常時使用する自動車との事故
・人身傷害保険の活用
① 治療終了後、相手方(保険会社)と示談する前に、先払いで慰謝料等の損害を人身傷害保険金で受け取ることが重要。
※人身傷害保険金の受取額は、相手方保険会社の提示した賠償額(慰謝料)と、ほぼ同じです。したがって、示談しなくても提示された賠償額を受取れるというメリットがあり、その後、弁護士基準でアップする額を待つだけで済みます。
※過失のあると思われる方は、必ず(絶対)、先払いで人身傷害保険金を受け取ることが肝です。過失の無い(100%賠償を受け取れる)方と同様に100%賠償を受け取れる可能性が大きくなる。
※保険会社は必ずと言っていいほど、相手方(保険会社)と示談終了後に過失部分があれば後払いで人身傷害保険を支払うと言ってきますが、後払いでは、ほぼ、もらえません。
例)総損害額200万円 過失2割:40万円 人身傷害保険金150万円
②後に相手方保険会社と50万円の示談 ①先に人身傷害保険金150万円
先で請求の場合
①先に相手方保険会社と160万円の示談
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後で請求の場合
②人身傷害保険は150万円以上支払われているので支払分なし
※搭乗者傷害保険も過失に有無に関係なく支給されますが、生命保険と同じ定額一時保険金な
ので原則、賠償とは関係なく支給されます。
□ 無保険車傷害保険
・一般的に次の要件を持たす場合に支払われる保険金
① 相手方に過失が あること。
② 相手方の自動車が任意保険未加入
※相手方が自賠責保険にも加入していない場合は、自賠責部分は政府の「自動車損害保障事業」に請求します。
③ 被害者が死亡又は後遺障害となること。
※残念ながら傷害のみでは対象外となります。
・一般的に対象となる者(各社の約款を確認)
① 歩行中の事故でも対象となるもの:基本的に人身傷害保険と同じ者
② ①以外の者は契約自動車に搭乗中の事故に限る
など各社の契約により異なる。
・実務上の利用
① 必ず、先に相手方個人を裁判で訴え判決得たその後に無保険車傷害保険を請求する。
判決を得ないで請求してしまうと任意保険基準による額
判決を得て請求すると弁護士(裁判基準)による額
② 人身傷害保険に加入しないことが条件とされることが多い?
□ 弁護士等費用特約
・交通事故にあった場合に以下の手続等を弁護士や司法書士に依頼し場合に通常300万円を限度
に費用を支払ってくれる保険
① 交通事故の法律相談
※この部分だけを法律相談費用特約(通常10万円を限度)として別保険にしているとこもあります。
② 後遺障害の請求・異議等
③ 損害賠償の示談交渉、紛セン、訴訟代理やこれらに関する書類作成
・一般的に対象となる者(各社の約款を確認)
基本的に人身傷害保険と同じ者
・賠償請求の現場から
是非、加入して欲しい特約です。年間で1500円位の保険料と思います。
□ その他
・上記保険を利用しても保険料は基本的にアップしません(各社確認)。
・当事務所は、弁護士費用が無い方でも、着手金不要、成功報酬のみで承けたまわります。
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